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リテラシーと理解について考える

ネット通販と公共性

 前に小説の販売方法について書いたのですが、そこでは消費者のリテラシーも必要だという書き方をしました。
 大晦日に起きて正月にネットで火が着き、メディアでも取り上げられたネット通信販売の宅配おせちについての批判が起きました。
 その件について「叩きすぎだ」との批判や「ここまでの値引きなのだから信じるのも駄目だ」との意見が見られますがその考えはどうなのでしょう。
     
 販売してい会社は実店舗を数店舗持っているのですから普通はその店舗展開の実績をもとに判断できると考えるのはおかしくありません。
 この「グルーポン」という通販会社はテレビでも広告を流してという事なので基本的には「ショッピングセンター」であるという事です。「その中」の店舗はある程度の公共性があります。
 本来公共の物である電波を割り当てられそこで事業を行うテレビ等でコマーシャルを流すという事には社会的な責任が伴うはずです。
 そして販売方法が不特定多数で有る以上私的な取引で有るとともに誰でも当事者になり得るという事です。
     
 前の小説との違いはまずこれは「限定商品」だという事です。販売数が限定で購入を急がせて判断をする時間を与えません。
 その上おせちというシーズン品で周年販売ではないので他の購入者の感想を確かめてから判断をするわけにはいかないという事です。
      
 少なくとも見本の写真とほぼ同じ「見た目」であり、安全性に問題がなければ、幾ら味が悪くとも当事者間の問題ですし無関係の人間が「叩いた」りするのはやりすぎでしょうし「騙されるのも自己責任」という事になりますが、この件についてはそうでは有りません。
 例えばタクシーに乗る時に消費者に一々運転手の身分や運転能力を確認する責任が求められないのと同じく販売者と消費者の責任が対称な関係にあるとは言えません。
   
 たとえば前出の「小説」が文字ないしは文章が判読不能で多くのページが白紙で、製本・印刷に用いられている資材に害がありえれば当然社会的な問題です。同じレベルの問題ではありません。
  
 この会社の経営者も問題に対する対応に出鱈目な部分が見られました。元々表に出て発言をするのを好んでいた様で甘く見ていたのでしょう。
 それまで進んでメディアに露出して自身のイメージを売り込んでいたわけですからそれに見合う公共性のある立場であるとするべきです。少なくとも嘘や矛盾のない発言を求められる責任があります。

 ネットでの批判に常識に欠ける物やデマがある事は事実ですがこの件が当事者間のみでの問題ではないことも事実です。
 公共性の問題として批判をされるのはやむを得ない出しょう。


 ネットユーザーとマスメディアが肝に銘ずべき グルーポン“スカスカおせち”騒動の真の教訓
 岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
  
 正月早々、ネット上ではグルーポンの“スカスカおせち”を巡って大騒ぎになりました。この問題にはいろいろな論点が存在しますが、個人的には、ネットの闇の深さとマスメディアの無力さが浮き彫りになったように思います。

 グルーポンの“スカスカおせち”問題についてはおそらく読者の皆さんもご存知と思いますので、ここではその内容は説明しません。この問題について私がもっとも驚いたのは、問題のおせちを製造したバードカフェの社長に対するネット上でのバッシングのひどさです。

 もちろん、“スカスカおせち”を平気で製造して送りつけたバードカフェに最大の問題がありますので、非難されるのはもっともです。

かつ、そうしたバッシングを行なっているのはネット・ユーザのごく一部、一握りの人でしょう。しかし、客観的な批判や建設的な問題提起なしに、度を越した個人攻撃・人格否定ばかりがネット上で執拗に行なわれるというのはいかがでしょうか。

 ちなみに、そうした執拗な個人攻撃をたしなめる発言を堀江貴文氏やレストランチェーン社長がツイッター上で行なったところ、これに対しても激しいバッシングがあったようですので、もうこうなると学校のいじめと同じです。いじめられっ子は徹底的にいじめられ、それを守ろうとした子もいじめられるという構図です。

 そして、“スカスカおせち”ほど目立ちませんでしたが、正月にネット上で同様のバッシングがもう一つありました。
 http://diamond.jp/articles/-/10676
 

      
 この「大学教授」さんは公正さや社会的責任・公共性というものを理解していないのでしょう。
ログインする気はないので続きはよんでいません。この先を読めというご意見ならばここまでだけの意見を「公共」の場に出すことの責任を理解していないのでしょう。
 堀江氏の発言は公共性に対する氏のご都合主義が見えた事が問題ですし(実は利害当事者だったらしい)言論には言論で批判をするのは間違いではありません。
 この「ビジネスメディア」ダイヤモンド社もこの「大学院」も社会的責任や公正さについて肝に銘ずべき事があるのは間違いないです。
(一応全文らしいのがこれhttp://ryubigitoku00z.blog114.fc2.com/blog-entry-328.htmlこれを読むと論理の筋の悪さが見えます)

岸 博幸
[慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室

などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス非常勤取締役を兼任。

 立場は解りやすい企業寄りの「自由主義者」さんです。ネット嫌いのようです。
 
 もう一つ

グルーポンツイッターを使う資格、それはリテラシー
増沢 隆太 RMロンドンパートナーズ(?RML慶文堂) 代表取締役東京工業大学特任教授
     
>自由を追求する、より良いサービスを追求するには、それにともなって義務があります。「安くて良い」は理論上あり得ず、「訳あって安くしている」のが普通です。これは単なる消費活動だけでなく、情報の取得においても共通します。
     
>またまたリテラシーです。
主婦ならスーパーで「牛肉全品5割引セール」に行ったことがあるでしょう。私は特売大好きなので、しょっちゅう行きます。しかしこの「全品5割引セール」にはほとんど興味ありません。なぜならいんちき臭いからです。
 5割引セール売場に並んだパック詰の牛肉は確かに半額です。しかしその元値を見てみると、100g398円とか、ん?普段100g298円程度のものが急に値上がりしてないか?と思う商品が多いのです。とゆーか、ほとんどの半額品の元値が高いのです。
   
>いずれにしても情報の受け手がその責任を負う、という原則は絶対に揺るぎません。その自己責任を理解した者しかこうしたソーシャルメディアは使えないと感じるべきではないでしょうか。
http://www.insightnow.jp/article/6175
(全文http://news.goo.ne.jp/article/insightnow/life/insightnow-6175.html

 増沢 隆太 http://www.rm-london.com/about/profile.html

 一理ありますがこの件は「牛肉」ではなく別の肉であったり、牛の品種や産地が変えられていたり、肉の部位が違ったり、書いてある量の肉が入っていなかったり、何らかの増量剤を用いていたるする件なので当てはまってはいません。
 現実には上の価格設定が事実だとすれば景品表示法によれば不当二重価格になるはずです。昔はありましたが今のスーパーでは銘柄を変えたりもっと上手くやります。

埼玉県生活科学センター・埼玉県消費生活支援センター

■知っておきたい法令
 その価格表示、信用できるかな?〜景品表示法による二重価格表示のルールについて〜
   
 よく、「当店通常価格」や「セール前価格」などと表示されているもので、次のようなルールがあります。
過去8週間のうち、4週間以上の販売実績があれば、過去の販売価格として表示することができます(例1)。
販売開始から8週間未満のときは、販売期間の過半かつ2週間以上の販売実績があれば、過去の販売価格として表示することができます(例2)。
上記(1)や(2)を満たす場合であっても、実際に販売した最後の日から2週間以上経過している場合には、過去の販売価格として表示することは、原則としてできません(例3)。
販売期間が2週間未満のときは、過去の販売価格として表示することは、原則としてできません(例4)。
 http://www.kurashi.pref.saitama.lg.jp/kurashi/chishiki/law04a.html