「こんな小説が芥川賞なの?レベル低いね」
「近頃ワカイ子らに流行りの音楽らしいけど安っぽいね」
「なんか現代芸術とやらは目先の奇をてらっているだけだな」
「こんなものが旨いとか言う奴は本当に旨いもん喰った事無いんだろうね」
「今のゲームは本来の楽しさを見失っているよね」
よくそんなことを言う人がいる。
「どうにもテレビドラマは陳腐でつまらない」
「ファッションがどうとかいっても中身の伴わないただの個性の履き違えだね」
「古典とか言っても誰でも本音では退屈だろ」
「アニメとかまともな大人が見るもんじゃないよ」
「スポーツとか見て感動とかする気持ちがわかんないな」
相槌をうってくれる「仲間」の前でこんな事を言うのは楽しいでしょう。
「美術工芸品とかいっても普通誰にも価値はわからないし、誰も値段にしか興味ないよね」
「この漫画はベストセラーらしいけど、一体どこが面白いかわからないねえ」
「田舎の祭りやイベントなんてセンスが無く殆ど貧乏臭くて品が無くてありきたり」
「ワインがどうとかって、味とかほんとにわかってる奴なんかいるのか?」
「伝統ってたったの百年程度だったりするからなあ」
多分本気で言っているのでしょう。
「哲学・思想なんて小難しい事をいって煙に巻いてるだけだよね」
「農業なんて簡単で不効率な仕事なくせに補助金貰うのは許せない」
「この程度の仕事なら誰にでも出来る。そんな賃金を出す必要は無い」
「公務員とか暢気な商売で楽な生活をするのは甘やかされ過ぎだ」
「学問研究なんて何の役にも立たんモノに金を出す意味が無いよ」
自分の代わりにはっきりと言ってくれる人がいても溜飲が下がります。
「そんな下らんことに興味は無い、そんな事を知っていても何も偉く無い」
「こんな事も知らないのかね」
「本物だとかいってもわかる人間は少ないからそこまでコストを掛ける意味は無い」
「そんな事が良いとか楽しいとか思うのが駄目、自分に酔ってるだけ」
「俺から言わせればその程度の物に存在価値は無い、こんな表現は目障りだから早く消えるべき」
「頭の悪いヤンキーとかが好みそうだね」
「お勉強なんて社会じゃ役に立たない」
「頭がお花畑」
「この程度は高卒の知識」
「甘えるな」
「メディアや報道は腐っている」
「考えない人が多すぎる」
「近頃の若者はなってない」
「目先の金儲けしか考えていない」
「反省が足りない」
「政治が悪い」
「今の世の中は弛んでいる」
「科学は人を救わない」
「わかってない奴が多すぎる。馬鹿ばかりだ」
「現代社会は人を幸せにしない」
恐らく本当に伝えたい事はそれ自体ではないのです。