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リテラシーと理解について考える

法律と裁判についての基本的な常識

 知っているつもりでいるにも関わらず大の大人がおかしな事を言いかねない物の一つのが法律や裁判についてです。
 テレビのバラエティでも法律番組は人気で、小説や漫画などのフィクションでも主題に取り上げられる事も多い筈ですが、インテリの方でも平気でおかしな事を言い、政治家は自分たちの都合で論理をすり替え、マスコミでも推定無罪の原則を忘れた様な報道姿勢は酷いものです。
   
 ネットで拾える情報で法律や裁判について常識的に抑えるべき部分を纏めます。
 まず最初に裁判の概要です。民事事件(訴訟)と刑事事件(訴訟)の違いについて書かれ、そのほかの少年事件と家事事件についての基本的な事も書かれています。
>裁判所 裁判手続の案内
 http://www.courts.go.jp/saiban/
 経験しない限り解っていない事も多い民事事件の仕組みについてです。 
>民事事件の裁判手続についてご案内いたします。
 http://www.courts.go.jp/saiban/syurui/minzi/index.html
     
 役割と仕組みが異なるにも関わらず混同する人も多い民事事件(訴訟)と刑事事件(訴訟)についてはこちらの説明が簡潔です。

独立行政法人 法テラス 日本司法支援センター「 民事事件と刑事事件の違いについて」
    
民事訴訟と刑事訴訟とは、どのような点が違うのですか?
民事訴訟は、人と人、会社と人などの私人の間の紛争を解決するための手続です。
•刑事訴訟は、起訴された被告人が犯罪行為を行ったのかどうか、刑罰を科すべきかどうか等について、判断するための手続です。
民事訴訟では、私人の間で権利関係に関する紛争がある場合に、裁判所がどのような事実があるかを確認し、その事実を前提として法律を適用して、当事者間にどのような権利関係があるかを判断します。
民事訴訟の当事者は、原則として、人、会社(法人)などの私人で、適用される法律は、民法、商法などの私法になります。
手続については、民事訴訟法が規定しています。
•刑事訴訟では、裁判所が、どのような事実が存在し、起訴された被告人が罪を犯したか(刑罰を課すことができるか)、罪を犯したとしてどのような刑罰を課すのが妥当かなどを判断します。
•刑事訴訟は、検察官だけが起訴することができます。
•適用される法律は、刑法、覚せい剤取締法大麻取締法、銃刀法などです。金融商品取引法、商法などにも罰則規定があり、これらが適用される場合もあります。 手続については、刑事訴訟法が規定しています。
http://www.houterasu.or.jp/nagare/youkenkakunin/keijitominji.html

 民事事件の裁判についてです。個人のブログの記事で、解りやすく面白い話ですが相当長いです。本にもなっています。
>【実録】ネコ裁判「ネコが訴えられました」
 http://ameblo.jp/tackchan/
   
 刑事事件について。被害者の場合。
法務省「犯罪被害者の方々へ」
 http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji11.html
>「捜査段階での被害者支援」
 http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji11-3.html
  
 容疑者とされた場合の話。 
>日本弁護士連合会「逮捕されたとき! -当番弁護士制度について-」
 http://www.nichibenren.or.jp/contact/on-duty_lawyer.html
大阪弁護士会「もし、あなたや、親族、知人が逮捕されたら…」
 http://soudan.osakaben.or.jp/content/taiho/index.php 
 
 現在の日本の法律の概念についてのより基本的な理解にはこの様な物があります。学生向けですが出来れば大人でも是非とも読んで欲しいです。
法務省 法教育
 http://www.moj.go.jp/housei/shihouhousei/index2.html
法務省 法教育 Q&A
http://www.moj.go.jp/shingi1/kanbou_houkyo_kyougikai_qa_index.html#01  
   
 教育の段階で教えるのが本来ですが、問題は教師の方々の法律の知識がむしろ低い事です。初等教育中等教育・高等教育の何れの教員や事務方も何方かといえば法律音痴の人が多いのは困りものです。
 何度か教員の方の法律についての発言をツッコんだことが有りますが、厳しい言い方をすれば組織に守られ法律よりも内部での権威を利用し易い立場にあるせいか、思いの外順法意識のレベルが低いように感じます。
 これはマスコミ等も含む大企業サラリーマンや経営者、医師や言論人でも相当怪しいのは変わりありませんが…。読まないといけないような方に限って読まないのでしょう。
 根拠もなく知ってるつもり、わかっているつもりの方がおかしなことを公言するので間違った「常識」が平気でまかり通ります。
 「政治的」な理由ででたらめな法解釈を言うのは特に問題だと感じます。
   
 弁護士や専門家といえるはずの方でも変なこと言うので肩書きだけでは信用できない場合もあるのは困ります。…主として橋下府知事の事ですが。

 他にも解りやすく正確な法律の基礎についての情報があればご教示ください。
  
[追記]
 前の記事とこの記事やコメント欄で教師の方について厳しいことを書いていますが、基本的に日本の公教育の教師の方は真面目で真摯な方が多いように感じています。
 教育改革をするにしても基本的には予算措置が伴わないものは効果が低いと考えます。
 精神論や「愛国心」とやらで何かが実現出来るとは思いません。
 ただ、その為には外部の「世間」に対する説得力のある姿勢が必要だと理解しています。
 今までの「いきさつ」のみに捉われず他者との対話を行うことも必要だと思います。