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リテラシーと理解について考える

南無阿弥陀仏

 ある科学系ブログのコメント欄で『「南無阿弥陀仏」とお経を唱えたくなりました』という軽口を見かけました。
    
 あれ?浄土系仏教・浄土教(浄土宗・浄土真宗時宗とか)の場合信徒は基本的にお経を唱えなくても良い様になっていて「南無阿弥陀仏」は正確にはお経(経典)ではなく「阿弥陀様(お経は読まないけど)お願いします」とかいう意味じゃなかったかと。
       
 確認してみるとやはり「お経」とは呼ばず「念仏」になるとあります。お経は別にあります。
      
>お念仏とお経 遊林寺 真宗大谷派 http://www.geocities.jp/yuurinji/253.html
   
 役割的には「自分」を阿弥陀様が救いに来て頂き、浄土に転生する為の帰依の表明なので他の死者の弔いや成仏を願う物でも無く悪霊を祓う物でも無い様です。
        
 ついでに「南無妙法蓮華経」は「お題目」といいますが、お経のタイトル「妙法蓮華経」が含まれ、その5字に「真実・真理」が含まれているらしいので「お経」でも良いかもしれません。
      
 ですから『「南無阿弥陀仏」とお経を唱えたくなりました』については日常用語としては間違いでとされないが本来の専門用語としては間違いなので議論の場で使うには正確に用いるべきである…。
 まあ訳知り顔で一々「定義」はどうだとか云われるのは嫌なものですね(笑)。
 意地悪でごめんなさい。
         
 …と、言いつつ本当に経典に含まれて居ないのかと確認してみました。
 浄土系仏教の根本経典は浄土三部経です。無量寿経(佛説無量壽經)、観無量寿経(佛説觀無量壽經)、阿弥陀経(佛説阿彌陀經)の三経典です。
聖典データ 浄土真宗聖典原典版http://www.terakoya.com/seiten/genten.html
 で確認してみると…。
 佛説觀無量壽經の141ページ(下品)に「稱南無阿彌陀佛(称南無阿弥陀仏)」と有ります。
        
 「南無阿弥陀仏」は「念仏」というのが正確ですが厳密に言うと「お経」の中にも書かれては居たのですね。
 現実に浄土系仏教の法事に行くと「お経」の(確か)前後に「南無阿弥陀仏」を称えるような覚えも有ります。
 自分で言うのも何ですが、素人が知ったかぶりはするもんじゃないです。
 このブログ(はてなビックリマーク)の記事の内容も怪しい物です。